縦型の賽銭箱を製作しました。
材質は、ご指定により桧の突板(厚張り)を使用し、
寸法は、幅奥行とも33cm、高さ75cmの大きいサイズです。
通常縦型の賽銭箱は、上部に中心を刳りぬいた折敷を使用しますが、
今回は、縁を付けないようにとのご指定で、直方体のかたちになりました。
安定が良いように、胴幅より広めの座を付けております。
円座を製作しました。 直径2尺1寸(約64㎝)の渦巻きです。
先日も、円座職人の親方と話す機会があり、
寸法違いの編み難さの話題になりました。
円座は、分業で仕上げるのではなく、一人の職人が自分の感覚のみで編み上げて完成させます。
同寸法同仕様のものを編み続ければ、編む感覚が一定化してスムーズに編み上げることができます。
しかし、手馴れた寸法から直径が1寸でも変わると、
手に取る草の分量と、編み込む指の感覚を変えて調整しなければならず、
数十年のベテラン職人でさえも一部の者しか対応できません。
そのような話を聞いて、仕上がった円座を見直すと、
製作の苦労を微塵も感じさせない綺麗に編み上げられた円座に、プロの職人の意気を感じます。