御簾をお仕立てしました。
神壇に設えるもので、 寸法は78×20cm(幅×丈)、
竹は綿糸表編み、布は正絹倭錦(赤)、
房は紫一色ののより房(江戸打ち紐) です。
赤地の正絹倭錦に、紫一色の房の組み合わせは、
二段染めや三段染めとは違った趣があります。
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太鼓塗り替え(片面) 直径2尺(約60cm) 本漆 本金仕上げ
太鼓を塗り替えました。
経年のご使用で、巴部分の金箔が剥がれ、
黒い漆部分にひび割れが入り、一部下地が出ておりました。
先日、塗師の若親方と、太鼓の塗りについて話をする機会がありました。
太鼓の塗りの中で、太鼓面は一番気を使う場所で、
厚く塗ると光沢は出ますが、ひび割れが入りやすく、
薄いと割れにくいですが、光沢が出ないということで、
双方のバランスを取るのがとても難しいということです。
特に塗り替えの場合には、革が柔らかくなっているために、
その難度が格段に高くなります。
仕上がった太鼓を見ると、 周りを映し出す鏡面のように見事な出来栄えですが、
その背景には職人の伝承の技があります。