ブログNo.4088
几帳(織物) 134×167 大鳥と牡丹柄 布筋段ぼかし 裾模様朱色 2-2
几帳の起源は、平安時代における貴族の部屋の設えにある考えられています。
当時の建築様式は寝殿造りで、現在のような建具(障子や襖)が無かったため、部屋を仕切る必要がありました。
御簾や戸帳、壁代も同様の目的で障屏具として使用されました。
特に几帳は、台(几帳台)に掛けて自立出できるため、移動式の障屏具として重用されました。
高貴な身分の方の傍らに据えられることが多く、細部にわたって丁寧な仕立てがなされていることから、現在の「几帳面」の語源になった御品と伝えられています。
今回の几帳も、多色の鳳と牡丹、雲立涌の地紋が織り込まれておりまれ、丁寧に仕上げらております。
布筋は萌黄と白のグラデーションが美しい段ぼかし、左右には六色の飾り紐が取り付けられ、彩り豊かで奥ゆかしい几帳でございます。